マテリアリティ
ロジスティードグループのマテリアリティ
当社グループでは、2017年度に15のマテリアリティを特定し、CSV※視点を踏まえ4つの注力分野を策定しましたが、サステナビリティをめぐる課題や経営環境が大きく変化してきていることなどから、2021年度にマテリアリティの見直しを行いました。見直しにあたっては、ESGの側面だけでなく、物流業界における社会課題解決や事業戦略との結びつきを意識して課題を抽出したことで、事業側面が強いマテリアリティが特定されたと同時に、社会インフラである物流業特有の「操業時の事故防止」「防災・減災の強化」が明確化され、最終的に12のマテリアリティが特定されました。特定したマテリアリティを当社グループが果たすべき社会的責任として認識したうえで、社会課題解決に向けた実効性ある活動を推進しています。
※CSV(Creating Shared Value):経済利益活動と社会課題の解決の両立やそのための経営戦略等
マテリアリティの特定プロセス
Step1:課題の抽出
- これまでのマテリアリティ(2017年度策定)の課題把握
- ESG課題の抽出(SDGs、ESG評価機関の評価項目、非財務情報開示ガイドライン、物流業界の重要課題、当社の事業戦略上の課題、コーポレート部門の戦略課題)
- マテリアリティテーマリストの作成
Step2:優先順位付け
- ステークホルダーの重要度評価(ESG評価機関の各業界の評価ウェイト、機関投資家が重視する課題、投資家アンケート)
- 当社にとっての重要度評価(LOGISTEED WAY、当社の事業施策、ESG関連の取り組み、環境中長期目標 等)
Step3:妥当性の確認、特定
- 1.
経営層による評価の実施
- 1.
経営層によるマテリアリティテーマの評価実施
- 2.
1の評価結果をもとに経営層ワークショップにて議論
- 1.
- 2.
外部有識者による妥当性の確認
社外有識者による評価プロセス、マテリアリティの妥当性について意見聴取
- 3.
取締役会による妥当性の確認・承認
マテリアリティをもとに注力分野の策定、KPIの設定を実施
マテリアリティ

- 脱炭素社会への貢献
- 循環型社会への貢献
- 成長を支える多様な人財の確保
- 安全・健康で働きがいのある職場の実現
- 人権および責任あるサプライチェーンの構築
- ガバナンス・コンプライアンス
- 操業時の事故防止
- リスクマネジメント
- 強靭で持続可能な物流サービスの構築・進化
- DXの深化
- 協創によるビジネスモデルの構築
- 防災・減災の強化
マテリアリティの妥当性確認
2021年度に行ったマテリアリティの見直しでは、特定のプロセスおよび特定したマテリアリティの妥当性について、外部有識者とダイアログを実施しました。
統合報告書2022(P41-42) マテリアリティの妥当性確認 ー外部有識者との意見交換における主なコメント(PDF形式、929kバイト)
注力分野の策定
優先的に取り組むべき課題への活動にあたり、特定された12のマテリアリティについては、価値創出に資するものを3つの「注力分野」に、コンプライアンスやリスクマネジメントなど、事業基盤に関わるものを「注力分野を支える基盤」に分類しました。また、注力分野とSDGsとの関連性についても整理しました。
注力分野

当社グループは、2030年に向けた国際社会の共通目標である「持続可能な開発目標(SDGs)※」への取り組みの重要性を深く認識しています。
SDGsの17目標のうち、私たちの注力分野と特に関連の深い目標は以下の8つです。注力分野への取り組みの強化を通じて、さまざまなステークホルダーとともに、SDGsの達成にも貢献していきます。

SDGs:Sustainable Development Goals
2015年9月開催の持続可能な開発サミットにおいて国連加盟国193カ国の全会一致で採択された。主な特徴は、途上国だけではなく先進国も対象とした普遍性(Universality)。
「誰も置き去りにしない(Leave no one behind)」をスローガンとして掲げる。
注力分野1脱炭素・循環型社会への貢献
温室効果ガス(CO2)排出量の削減やエネルギー利用の効率化、資源利用の削減・回避と環境汚染防止などの取り組みを推進し、脱炭素・循環型社会への貢献をめざします。
マテリアリティ
- 脱炭素社会への貢献
- 循環型社会への貢献

注力分野2強靭で持続可能な物流サービスの構築・進化
社会課題解決に資する安全・品質・生産性に優れた強靭で持続可能な物流サービスの構築・進化を図るため、サプライチェーン最適化サービスの高度化や倉庫・輸送事業の強靭化を進めています。
マテリアリティ
- 強靭で持続可能な物流サービスの構築・進化

注力分野3協創による新たな価値の創出
さまざまな社会課題の解決に向けて新たな価値・イノベーションの創出を図るため、DXや業界を超えた協創を推進しています。
マテリアリティ
- 成長を支える多様な人財の確保
- DXの深化
- 協創によるビジネスモデルの構築

注力分野を支える基盤
安全、防災・減災の強化や人権の尊重など、事業基盤に関わるものを「注力分野を支える基盤」と定義し、3つの注力分野の取り組みを加速させるための各種施策を行っています。
マテリアリティ
- 安全・健康で働きがいのある職場の実現
- 人権および責任あるサプライチェーンの構築
- ガバナンス・コンプライアンス
- 操業時の事故防止
- リスクマネジメント
- 防災・減災の強化
注力分野を支える基盤における主な取り組み(PDF形式、468kバイト)
マテリアリティとKPI(評価指標)
12のマテリアリティについて、中期経営計画の重点施策等を踏まえながらKPIを設定しました。今後は、グループ全体で課題に対する取り組みを推進し、KPIの進捗状況の管理と情報開示を進めるとともに、ステークホルダーの皆さまとの対話を通じて持続可能な社会の実現をめざしていきます。
| 注力分野 | マテリアリティ | KPI | ロジスティード | 国内 | 海外 | 2025年度の実績 | 目標 特に記載がない場合は2027年度における目標 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 注力分野1 | 脱炭素社会 への貢献 |
CO2排出量※1の削減 | ● | ● | 2013年度比4%削減 ※アルプス物流グループ連結化影響を除いた実績:2013年度比21%削減 |
2030年度:2013年度比50%削減 | |
| SCDOS「脱炭素モニタリングサービス」提供によるお客さまの脱炭素化支援 | ● | ● | ● | 国内外の多数のお客さまにSCDOS「EcoLogiPortal(CO2排出量可視化ソリューション)」の提案を行い、お客さまの物流領域で排出されるCO2排出量の可視化と削減を支援 | 提案社数の年度ごとの目標の達成 | ||
| サプライチェーンを含むCO2排出量削減目標設定に向けた取り組み推進 | ● | ● | ● |
国内:スコープ1~3の集計・運用継続 海外:スコープ1~2の集計・運用継続および スコープ3算出体制・スキーム構築完了 |
海外含めたサプライチェーン 排出量の算定体制・スキーム構築 |
||
| 循環型社会 への貢献 |
再資源化率(リサイクル率)※2 | ● | ● | ● | 国内:99% 海外:再資源化率収集スキームの構築 |
毎年度:99%の維持 | |
| サーキュラーエコノミービジネスモデルの構築に向けた取り組み推進 | ● | ● | 使用済EVバッテリーの資源循環システム構築を目的とした実証事業に参画 | 実績管理 | |||
| 注力分野2 | 強靭で持続可能な物流サービスの構築・進化 | SCDOSの提供によるお客さまのSCM※3の支援 | ● | ● | ● | 国内外の多数のお客さまへの提案を行い、お客さまのSCM改善を支援 | 支援に関する年度ごとの目標の達成 |
| 物流センターの自動化・省力化設備導入による働きやすい職場の実現 | ● | ● | ● | 国内外の複数の物流センターで荷役・搬送の自動化・省力化設備の導入を進め、2024年度比で年100FTE※4分を省力化 | 荷役作業の機械化 (年100FTE) |
||
| 「SSCV」各機能の利用者網拡大による輸送の安全と効率化への貢献 | ● | ● |
「SSCV」導入により当社グループエコシステムを拡大 ①Smart:協力会社 累計1,072社導入 ②Safety:累計4,629台導入 (うち、協力会社車両1,403台) ③Vehicle:累計4,374台導入 |
各導入目標の達成 ①Smart:協力会社 ②Safety:自社グループおよび協力会社車両 ③Vehicle:自社グループ車両※5 |
|||
| 持続可能な物流の実現に向けた輸送事業の強靭化 | ● | ● | ドライバー労働基準の違反件数:0件 | ドライバー労働基準の違反件数0件 | |||
| メディカル物流センターのGDP装備の拡充 | ● | ● |
|
対象拠点への実装終了 | |||
| 注力分野3 | 成長を支える 多様な人財の 確保 |
DX人財育成に向けた教育の実施 | ● | ● |
|
従業員のスキルレベルに応じた教育の対象者全員受講 | |
| 後継者計画が準備できている重要な経営ポジション数 | ● | ● | ● | 後継者計画の準備が完了した 重要な経営ポジション数:10 |
2025~2027年度に対象ポジション数を段階的に増加 | ||
| 生成AI・ローコードツール等のデジタルツール導入による業務効率化 | ● | ● | ● | デジタルフィット率:対前年1.21%改善 | 2025年度:デジタルフィット率対前年1.1%改善 | ||
| 従業員エンゲージメントサーベイ「持続可能なエンゲージメント」スコアの向上 | ● | ● | ● | 国別ベンチマークスコアのクリア率※7:58% | 国別ベンチマークスコアのクリア率:100% | ||
| 女性管理職比率 | ● | 7.9% | 2025年度:8% | ||||
| DXの深化 | KPIとデータで駆動する全社最適 経営基盤の構築・展開 |
● | ● | ● | 欧州・北米地域グループ会社の経営基幹システム刷新を計画通り完了するとともに、グローバルでのコード体系の統一およびデータモデルの統合を推進 | 海外グループ会社の経営基幹システム刷新を完遂し、データドリブン経営実現を支える統合データ基盤を構築 | |
| RCS(Resource Control System)の実装 | ● | ● | ● | 倉庫作業88案件に実装 | 実装件数目標の達成 | ||
| 特許出願(公開)件数のうちDX分野の件数と割合 | ● | ● | ● | DX分野の特許出願件数:8件 DX分野の割合:80% |
実績管理 | ||
| 協創による ビジネス モデルの構築 |
協創による新たなサービスやビジネスモデルの開発 | ● | ● | ● | パートナー企業と連携し、EVトラック運用における電力利用の最適化と運用効率の向上を目的とした実証実験を実施 | 実績管理 | |
| 注力分野を支える基盤 | 安全・健康で 働きがいのある 職場の実現 |
労働災害 度数率/強度率 | ● | ● | 度数率:0.80 強度率:0.167 | 実績管理 | |
| 重大事故(死亡労働災害)件数 | ● | ● | ● | 国内:1件、海外:1件 | 0件 | ||
| 有給休暇取得率 | ● | ● | 59.9% | 実績管理 | |||
| 疾病休業日数率※8 ─健康経営の推進─ |
● | ● | 1.00% | 実績管理 | |||
| 人権および 責任ある サプライ チェーンの 構築 |
人権を尊重したビジネスの基盤構築に向けた取り組みの推進 | ● | ● | ● | 豪州現代奴隷法対応および外国人技能実習生対応等のリスク軽減活動を継続実施 | 実績管理 | |
| 人権教育の実施 | ● | ● | ● |
|
実績管理 | ||
| 取引先のコンプライアンス・スクリーニングの実施強化 | ● | ● | ● | 通関業務委託先に対する年次スクリーニングを継続実施するとともに、海外主要取引先に対するコンプライアンスチェックを実施 | 実績管理 | ||
| ガバナンス・ コンプライアンス |
ロジスティードグループ行動規範教育(eラーニング)※9の受講率 | ● | ● | ● | 96.0%(延べ75,056名受講) | 毎年度:100% | |
| 執行役員の女性、外国籍および経験者採用比率※10 | ● | 31%(2026年3月31日時点) | 25%以上 | ||||
| 役員報酬へのサステナビリティ取り組み等の評価の反映 | ● | 2025年度は、執行役員および業務執行役員の年次賞与にCO2排出削減量およびエンゲージメントサーベイ結果の達成状況を評価に反映するとともに、評価反映項目の拡大検討を実施 | 反映項目の維持・継続 | ||||
| 操業時の 事故防止 |
「国内外4大事故」※11ゼロとロスコストの削減 | ● | ● | ● | 国内外4大事故件数:13件(対前年:-13件) ロスコスト:対前年20%削減 |
実績管理 | |
| 予防保全強化に向けた施策の実施 | ● | ● | ● |
|
実績管理 | ||
| 「SSCV-Safety」の利活用による車両運転中インシデント発生の削減 | ● | ● |
インシデント発生件数※13:0.008件(対前年20%削減) 当社グループ車両による重大事故発生率は、2023年度時点の全国平均に対し約80%低かった※14。さらなる事故防止強化に向け、事故の一歩手前となるインシデント件数を削減すべくインシデントの可視化を進め事故の未然防止につなげている |
実績管理 | |||
| リスク マネジメント |
全社規模の災害訓練と海外BCPキャラバン※15の実施 | ● | ● | ● |
|
実績管理 | |
| 情報セキュリティ事故発生件数 | ● | ● | ● | 0件 | 毎年度:0件 | ||
| 情報セキュリティ教育受講率および標的型攻撃メール訓練での開封率 | ● | ● | ● |
|
毎年度:100%受講/ 開封率10% |
||
| 防災・減災 の強化 |
安全品質集中管理センターの機能拡張 | ● | ● | 国内の物流センター8拠点(累計)に高度な機能を有するビデオマネジメントシステム等を設置し、不安全行動や危険事象の遠隔監視を実施 | 実績管理 | ||
| 新拠点への消防見える化システムの導入 | ● | ● | ● | 国内のアルプス物流グループ拠点等への新規導入を推進し、約680建物(累計)への導入完了 | 実績管理 | ||
| 災害時初動対応訓練の実施 | ● | ● | グループにて地震等自然災害を想定した初動対応訓練を実施:14社(218名参加) | 実績管理 |
- ※1スコープ1とスコープ2の合計
- ※2包装材における再資源化率
- ※3Supply Chain Management(サプライチェーンマネジメント)の略
- ※4Full-Time Equivalent:フルタイム当量。組織の人員がフルタイムで勤務したときの仕事量を表す単位
- ※5トラック、業務用車両、フォークリフト
- ※6プログラムを構成する一部の教育を全従業員対象のeラーニング「VC基礎講座」に変更したため、当該集計値から除外
- ※7エンゲージメントサーベイ実施会社のうち、ウィリス・タワーズワトソン社提供の国別ベンチマークスコアを上回った会社の割合
- ※8疾病休業日数率=(疾病休業日数/在勤労働者延べ所定労働日数)×100
- ※92025年度の教育テーマは、利益相反、輸出入関連法令、マネーロンダリング、インサイダー取引、政治献金・ロビー活動、記録と報告の完全性、人権尊重、競争法、贈収賄
- ※10執行役員および業務執行役員における割合
- ※11重大な車両有責事故、構内作業事故、火災事故、重量機工事故
- ※12SSCV-Safetyサービスの提供は日本国内のみ
- ※13当社グループ所有の稼働車両1台・1ヵ月当たりのインシデント平均発生件数
- ※14公益財団法人 交通事故総合分析センター『事業用自動車の交通事故統計(令和5年版)』より算出。事故1件当たりの走行距離の全国平均4.65万kmに対し、当社グループは23.6万km
- ※15日本から指導員を派遣することで、海外拠点のリスク管理体制の構築・整備を図る活動
- ※16LOGISTEED China, Ltd.、PT LOGISTEED Indonesia Forwarding、PT LOGISTEED Indonesia、PT VANTEC INDOMOBIL LOGISTICS、LOGISTEED INDIA PRIVATE LIMITED、Mars Logistics Group Inc.
- ※17対象範囲はロジスティードおよび国内グループ会社と一部を除く海外グループ会社
統合報告書2026(P41-46) マテリアリティとKPI(評価指標)(PDF形式、562kバイト)